「鏡の国」の経済学者―「超」整理日誌〈4〉 |野口 悠紀雄
「鏡の国」の経済学者―「超」整理日誌〈4〉野口 悠紀雄
ダイヤモンド社 刊
発売日 1999-09
価格:¥1,680(税込)
本シリーズの中では一番ウケました 2004-03-08
本書は『週間ダイヤモンド』に連載されている「『超』整理日記」の1998年4月~99年3月までの内容をまとめたものです。野口氏の泥臭さのない理論に遊ぶ文章は健在ですが、私が関心を寄せる英語学習法や経済問題、研究者の裏話がいくつも収録されていて、「無人島に持っていく本 「超」整理日誌2(野口悠紀雄、ダイヤモンド社、1997)」よりも面白いという印象があります。無論、この評価は読み手の関心に左右されるので普遍性はありませんが・・・。
「英語「超」上達法(その1・2)」(P. 167-191)は大変参考になりました。研究者に焦点を合わせた方法ですが、英語のスキルアップを考えている方で、まだ読んでいないならば必見です。文章英語への言及で「文章は知能を表す(P. 184)」の指摘には英文章についての認識には甘さがあったと冷や汗を流しました。事例のダニエル・キース「アルジャノンに花束を」の原文の抜粋からは英文章中の知的レベルというものの存在の大きさを感じざるを得ません。
「二十世紀の代表選手」(P. 201-210)は興味深く読みました。登場するフォン・ノイマンは気象学に偉大な業績を残し、現在のコンピュータの原型を開発した数学者ですが、経済学の分野で、不動点定理の一般化、ゲームの理論、成長理論が全てノイマンの業績とは・・・絶句です。しかも、これらが「あるとき、多分ほんの気紛れから経済学に興味を抱(P. 204)」いた結果とは・・・、世の中に天才とはいるものです。また、ノイマンの評には大笑いさせてもらいました。核融合研究でノーベル賞学者ハンス・ベーテの言葉の引用で「「フォン・ノイマンの頭は常軌を逸している。人間より進んだ生物ではないか」と語った。「人間のことをよく研究したので、人間そっくりに振舞える」というわけだ(P. 202)」。
私としては「「超」整理日誌」シリーズの中では最も印象に残った一冊です。
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この記事は2006/9/10に作成しました。
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