超・整理法は私も使っています。 野口悠紀雄さんの書籍を徹底紹介します。

日本経済 企業からの革命―大組織から小組織へ |野口 悠紀雄

日本経済 企業からの革命―大組織から小組織へ日本経済 企業からの革命―大組織から小組織へ
野口 悠紀雄
日本経済新聞社 刊
発売日 2002-07
価格:¥1,680(税込)


本書は、大きな時代の変化を説く日本経済論である。いま日本経済に必要なのは、大組織から小組織へ、さらには組織から個人への変化だと主張している。
本書全体の主張の骨子は、「日本経済の構造改革は、企業改革とほぼ同義である」ということだ。具体的にいえば、「大きくて価値の低い企業に支配されている経済を、小さくて価値の高い企業がリードする経済に変える」ことが日本経済の課題だという。
この点を明らかにするために、そもそもヨーロッパにおいてなぜ企業制度が発達したかが論じられる。また、急速に進むIT革命の本質や、中国の工業化の日本経済への影響についても議論される。さらに、日本の金融問題にも触れ、物価下落の根本原因は中国の工業化などリアルなものだという。金融緩和では、日本の問題は解決しないということだ。
日本には、政府の強いイニシアティブに期待する声が強い。しかしそれも正しくない、と著者は言う。本当に必要なのは企業の変革なのだ。この点との関連で、著者は小泉改革に懐疑的である。
最後の章「大学改革がなぜ必要か」では、専門大学院の必要性が主張されている。実務分野における専門家が必要だからだ。日本経済再生のためにこの主張は重要だ。しかし、この部分の議論は簡単すぎる。少なくとも、日本の大学が抱える問題を体系的にえぐり出す議論を予想して読むと、期待はずれだ。
本書では、日本経済が抱える多様な問題が論じられている。正攻法の議論を堂々と展開しているが、論旨は明解だ。文体もエッセイ風で、一気に読み進めることができる。ちょうど、出来の良い短編小説を読むような具合だ。
読みやすさの理由は、説明のための事例が多く、それがおもしろいからでもある。事例に添えられたコメントも簡潔で適切だ。みずほのシステム障害や雪印乳業の牛肉捏造(ねつぞう)事件など、新しい事例が多い。軍事関係の歴史的事例も多用され、興味をそそる。(榊原清則)

戦時体制経済からの脱却は、企業と個人の組織、意識改革から始まる。 2005-04-07
 筆者の以前から主張している、「1940年の戦時体制経済の
効果と弊害」について後半部から述べられている。総需要が旺盛
な高度経済成長期には、1940年の国家総動員体制は非常に効
果的で実際に日本の奇跡を生んだのだが、バブル崩壊後の日本で
は1940年体制は弊害ばかり生んでしまうという主張である。
 この本の中では、政府が変わるのではなく、企業や個人の意識
改革の方が重要だと述べられている。


■続きを見る


この記事は2006/9/10に作成しました。
powered by 【無料】アフィリページ自動生成ツール

【野口悠紀雄の経歴】
1940年生まれ。大学卒業後、大蔵省(現・財務省)に入省。

1972年、計5年間に渡り経済学を専攻し、米国イェール大学にて、経済学博士号を取得。

以後、埼玉大学、一橋大学、東京大学教授を経て、東京大学先端経済工学研究センター長を最後に退官。

2000年より青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授

2004年、スタンフォード大学客員教授

2005年より、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授