「超」税金学 |野口 悠紀雄
「超」税金学野口 悠紀雄
新潮社 刊
発売日 2003-12-17
価格:¥1,365(税込)
有権者(納税者)のために書かれた本 2004-08-22
税金について系統的に学んでいないわたしでも,税制の基本的考え方および日本の税制の問題点がよくわかり,非常に有益だった.消費税の益税・インボイス方式・簡易課税,税効果会計,連結納税制度など断片的に理解していたことが,税制の枠組みの中ではっきり理解できた.著者は社会の公平性(社会階級の固定化の抑制など)の確保という視点から税制に対する提言を行っている.非常に説得力があり好感を持った.良質な啓蒙書の典型的な例と言える.
少し気になったのは,固定資産税を未実現キャピタルゲイン課税と解釈しているところである.そうするなら,不動産の未実現キャピタルロス(含み損)の損益通算を認めないと整合性が取れないような気がする.含み損のある住宅のローンを抱えている人にとっては,そうしてもらわないと納得しにくいのでは?しかし,このようにして固定資産税率を上げると不動産の市況によって税収が著しく変動するというリスクが生じる.私の素人考えでは,インカムゲインを得るための社会インフラ使用料が固定資産税と解釈しているのだが.
また168ページで,「レーガン税制改革以降,米国の開業率はつねに10%台の高水準で推移しており,....」とあるが,それ以前の開業率が示されていないので,比較ができない.この点を改訂すべきである.
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この記事は2006/9/10に作成しました。
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