ビジネスに活かすファイナンス理論入門 ここまでは知っておきたい基本 |野口悠紀雄
ビジネスに活かすファイナンス理論入門 ここまでは知っておきたい基本野口悠紀雄
ダイヤモンド社 刊
発売日 2004-02-27
価格:¥1,680(税込)
株式投資の参考に是非! 2006-01-16
近年インターネットの普及に伴い「株取引」がブームですが、株で儲ける(キャピタルゲインを得る)ためには、まずその銘柄の「適正価格」を知ることが基本となります。株価の適正度を測る指標としてPER、PBR、ROEなどがあり、投資家はこれらの指標を元に判断を行います。
この本では、これらの指標の意味ついてもコンパクトに解説しています。たとえば、ROEは
純利益÷資産総額
と定義され、資産運用の効率度を示す指標とされていますが、ここには「リスク」という視点が抜けていることが指摘されます。極端な例として資産がすべて「負債」から成るものとすると、いかにその資産を用いて高利益を実現していようとも(ROEが高くとも)リスクの面では問題があります。こう考えると、ROEそしてPER=株価÷ROEを闇雲に信用する訳にはいきません。
「景気が良いから」という漠然たる理由で株式を購入するのではなく多少なりとも「頭」を使って購入しようとする人のために、本書は手ごろな情報を与えてくれるでしょう。
一点気になったのは、著者が「効率市場仮説」に固辞している点です。効率市場仮説とは、「現在の資産価格に(公開されている)過去の情報はすべて織り込み済みである」という主張ですが、これを仮定すると時価が適正価格から極度に剥離する「バブル」など、投資家心理に依存する現象を無視することになります。近年注目されている行動経済学や経済物理学の視点をもう少し加味してもらえばなお良かったのではと思いました。
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この記事は2006/9/10に作成しました。
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